それに…

田舎になんか…

帰らせたくない。



きっと梓が帰ってしまえば。

一生、会えなくなる。

せっかく会えたのに…

また手放すのか…?



「梓」

俺は真っすぐ梓を見つめた。

梓も俺をじっと見つめる。

「もし、俺が明日、勝ったら…」

本当は言うつもりはなかった。

自分の中で決めていただけの事だから…

でも、言わなければ。

梓が遠くに行きそうで。



「俺のワガママ、聞いて?」



確か昔、こんな台詞。

言ったよな、俺、梓に…