「ママ、これ、おじちゃん?」

翔がプログラムを開いて指したのは祥ちゃん。

「そうだねー」

とはいえ、私がよく知っているレーシングスーツを着た祥ちゃんはもっと若くて、今よりも身体のラインが細かった。

今も細いけど、筋肉が見惚れるくらい、綺麗に付いている。



あれから。

それだけの月日が経ったんだな…



『暑いけど、もし耐えれるならヘアピンで旗、振ってて』

祥ちゃんはそう言ってピットの中に入っていった。