「…奪い返しなさいよ」

雪野はその美しい目でしっかりと俺を捉えた。

「あなたなら…彼女を幸せに出来るわ」

その、子供もね…

雪野はまた目を伏せて、一呼吸置いてから決心したように俺を見つめて

「もう私達、今日で最後にしよう」



…何となく、そう言われる気がしてた。



梓に再会してから。

雪野との別れが近いな、とは思っていたから。