あっという間にライディングスクールは終了した。

「今日はありがとうね!」

久々に会ったむっちゃんは素敵なお姉ちゃんになっていて、翔の遊び相手になってくれた。

お礼を言うと

「いえいえ!また来てくださいね!」

ニコニコ笑うむっちゃんは。

総一さん、真由ちゃんの愛情をたくさん受けて育ったのだな、と思う。

「むっちゃん、また遊んでね!」

翔くんはむっちゃんの手を握った。

むっちゃんも頷く。



祥ちゃんを見ると。

どこか不機嫌で。

ため息ばかりついていた。



「じゃあ、また…」

私は頭を下げてから翔の手を引っ張って歩き始めた。

付き添いの紀香もみんなに頭を下げて私達は帰り始める。





「祥ちゃん、ごめんね!」

私は最後に祥ちゃんに伝えないといけない事がある。

振り返ると祥ちゃんを真っすぐ見つめた。