「行けばいいのに」

お互い、そう思うなら。

思い切って行けばいい。



「…行けないよ」

雪野は旦那とその好きな人は高校の先輩、後輩で知り合いだという事だった。

「どちらにも気を使う」

雪野は言い放ってテーブルに伏せた。



「好きなように生きろよ」

俺は雪野の背中を撫でた。

「今の旦那より、好きだった人に強く惹かれるんだろ?
お前が生きたい人を選んでもそれはそれで間違いじゃない」