「…私の方も段々マンネリ化してて。
旦那もいつも無理難題を言って私を困らせる。
疲れていたのに…結婚して」

雪野は苦笑いをしてため息をついた。

「結婚すれば、楽になれると思ったの」

でも…

楽になんて、とんでもない。

声にならない声で雪野は続けた。





結婚、か。

俺にはそこには。

夢もなにもない。

一生、一緒にいたい、という人は…

いないから。

そもそも結婚なんてしようなんて思ってないし。