「照れたら負け」



翔が再び寝息を立てて膝で寝だした。

俺は以前、そーちゃんに言われた事を口にしてみる。



「そーちゃんも昔、睦海が小さい時に覗かれていたらしいよ」

睦海なら、パパ大好きっ子だからやりかねない。

俺は笑うと

「でも、そーちゃんは気にしないで真由ちゃんとキスしたって。
今でもあの二人、人前でさらり、とキスしてしまう」

「…凄いねえ」

梓は驚くけど

「俺もそんな風になりたい。
そーちゃんみたいに、血は繋がっていなくても完全に自分の子供って言い切ってしまう。
そして、自分の奥さんにもいつも感謝してるし…」



目指すべき人なんだ…

あんな風に奥さんと子供を大切にして。

生活が苦しくても。

自分が一番好きなバイクに関わる仕事をしていたい。



梓となら、きっとそれが出来ると思うから。