「パパ、何かいる!」

翔は川を見つめながら俺の足にしがみつく。

…確かに水の中で動く黒い物体。

目を凝らして見ると。

「魚だよ、翔」

俺は翔を抱き上げて川縁に近付く。

「うわあ、沢山いるよ?」

何か…うじゃうじゃいたので驚いていると

「パパ、もういい…」

見慣れないのが嫌なのか、翔が拒否をした。

俺は抱いたまま、土手の上へ上がる。



「じゃあ、また…」

ちょうど話が終わったのか友達は頭を下げると足早に立ち去った。



「ごめんね」

梓は謝るけど、俺は首を横に振った。