夕方。

この辺りは都会と違って涼しい風が吹いている。

俺と翔、梓は手を繋いで散歩に出掛けた。



沈む夕陽が。

本当に綺麗で、少し切なくなった。



「梓!」

後ろから呼ぶ声が聞こえる。

梓は振り返ってしばらく考えていると、やがて。

「ああ!美恵ちゃん!」

梓は俺を見つめて、高校の同級生、と言った。

「帰ってきたの?」

「うん。明日にはまた戻るけど…」

「へえー!帰ってくるなら連絡くれたらいいのに!」

そして俺を見て一礼をすると

「旦那さん?」

と梓に聞いていた。

「…うん、入籍はまだだけど」

「カッコイイ!
梓もやるわね〜!!」



何だか。

しばらく女同士、話に花が咲きそうなので、翔と二人、河川敷に下りてみた。

綺麗な水が流れている。