「最後に見た高校生の祥ちゃんしか記憶にないから…
へぇ〜!かっこよくなって…」

お母さんは上から下までまるで品定めをするかのように俺を見つめていた。

「翔も、元気だった?」

翔は俺と手を繋ぎながら頷いた。

「うん、げんき」

「そう、上がって!
もうすぐしたらお父さんも帰ってくるから」

梓のお父さんはこちらへ来てからは畑仕事をしている。

元々、この辺りの地主でおじいさんが病気で亡くなってから財産を相続する為にこちらに戻ってきたとの事で。

「パパ」

翔はそう言って俺の手を引っ張る。

翔の言葉にお母さんは更に目を丸くして

「…どういう事?」

俺と梓を見つめた。