「良かったわね〜!」

「これでお母さんも安心よね」

「いきなり2児のパパかあ、まあ頑張りなさい」

祥ちゃんは次々に掛けられる言葉に頷くけど。

不機嫌だった。



「梓ちゃん、久しぶり」

私の腕を引っ張ったのは。

昔、私の家があった時に裏に住んでいたおばあちゃんだった。

「お久しぶりです」

私は頭を下げると

「離婚、したんだってね…」

同情の視線が向けられる。

「はい、でも祥ちゃんが助けてくれました」

私が微笑むとおばあちゃんもホッとした様子で

「二人は小さい頃からお似合いだったよ。
だから結婚すると聞いて嬉しい。
…お互い、色々あったと思うけど頑張ってね」

私はゆっくりと頷いた。

「ママ、おかえり!」

真由ちゃんの横を離れて翔は私の元へとやって来る。

「ただいま、遅くなってごめんね!」

翔は首を横に振ると

「いっぱいあそんでもらったからだいじょうぶ」

門真家を見ると2階から仲のよい姉・弟×2・妹の4人が楽しそうにこちらを見ていて手を振っていた。

翔も手を振り返す。