優しい手が私の頭を撫でていた。

心地良くて、そのまま眠りについておきたかったけど。

目を開けた。



目の前の祥ちゃんが泣いていて。

私は慌てて飛び起きた。



「どうしたの?大丈夫?」

私は祥ちゃんの頬を手で拭いた。

「…うん、ごめん、色々思い出した」



昔はよく、おじさんに怒られて泣いていた祥ちゃん。

最後に泣いたのを見たのはお兄ちゃんの拓ちゃんが亡くなった時だった。

おじさんが亡くなった時には私はもう、引っ越していて。

その頃の祥ちゃんの事は知らない。



「ねえ!」

そうだ、いい事を思いついた!!

「おじさんや拓ちゃんのお墓参りに行かない?」