「部屋、暑くてごめんね」

梓はマグカップを2個、運んできた。

「クーラーも取り外したし、冷蔵庫も洗濯機も処分しちゃったし、あるのはこれだけ」

梓が微笑みながら見つめたのは扇風機。

「…十分だよ」

夏の暑さは慣れているから。

苦でもなんでもない。

時折、全開の窓から入ってくる風が心地良くて…

寝そうになる。



本当に眠い。