徹が用意してくれたのは。

とある小料理屋の一室。

仕事で時々使うという。



「翔は?」

その男、武紀は梓に聞いた。

「祥ちゃんの、知り合いに預かって貰っている」

あのまま。

門真家に居候な翔くん。

睦海や三つ子達に随分遊んでもらって、楽しく過ごしている、とそーちゃんから聞いた。

「…赤の他人に預けてお前は平気なのか?」

武紀は梓を睨む。

「それじゃあ、まるで、俺の両親と変わらない。
…母親ならもっとしっかりしろよ!」

その言い分に俺はイラッ、とする。



じゃあお前は父親として、しっかりしてるのか?

仕事のせいにして。

逃げてるだろ…?



もう、口から出かかっていた。



それを抑えたのは梓。