そして、お父さんも許してくれた。
アタシは、智也と頑張ることを誓った。

一ヶ月が経った。

智也の就職先が決まった。
ガソリンスタンド。

無理はしないって約束した。

アタシは、学校を休学することになった。
でも勉強について行けるように、麻美と千夏が毎日プリントを届けてくれる。

「早くお腹大きくならないかなぁ」
麻美と千夏はそう言って、楽しみにしてくれている。

そして智也も、アタシと赤ちゃんの為に頑張ってくれている。

だからアタシも頑張らないと!

そう思った。


時間はあっという間に過ぎて、アタシは妊娠八ヶ月になった。

お腹はすっかり大きくなった。

でも、アタシは喜んでばかりはいられなかった。

服を買いに行ったり、ちょっと街に出ると冷たい視線が突き刺さった。

でも、これはきっと強くなるための試練なんだ。

試練は、乗り越える為に与えられるんだ。

だからアタシは、この試練を乗り越えないといけないんだ。


ピーンポーン・・・

誰だろう?

「あ!智也くん!こんにちは」
「こんにちは」
「亜矢なら二階にいるわよ」
「あ、ありがとうございます」

智也が来てくれたんだ!

アタシは、智也を迎える。

「いらっしゃい」
「おぉ、亜矢!元気そうじゃん」
「うん、智也もね」
「あぁ」

久しぶりに見た智也は、少し大人に見えた。

「亜矢、プレゼント」
「え?」
「ほら」

智也は、箱を取り出した。

「開けてもいい?」
「あぁ」

箱を開けると、その中には指輪があった。

「これ・・・」
「亜矢、俺が18歳になったら結婚してくれ」
「うん、絶対ね」
「約束な」

・・・ん・・・
智也からのキス。

大きくなったお腹が、智也に当たった。

「・・・うっっ!!」
「おい!亜矢!」

急に激痛に襲われて、床に倒れ込んだ。

「おい!どーしたんだよ亜矢!」
「お腹・・・痛い・・・よ・・・智也・・・」
「え?」
「痛い・・・痛いよ・・・う・・・」
「亜矢っっ!!」

その後のことは、あまり覚えていない。

ただ、目が覚めたらアタシは、病床にいた。