それから三ヶ月が経った。

夏休みも終わり、二学期になった。

二学期は、行事が沢山ある。

文化祭に、体育祭・・・

とても楽しみだった。

「おはよう麻美」
「おっはよぉ亜矢」
「おはよう亜矢、麻美」
「おはよー千夏」

久しぶりに友達と会えて、すごく嬉しかった。

「亜矢、髪伸びたねぇ」
「麻美も」
「千夏、痩せたじゃん」
「まじ?ダイエット頑張りましたぁ」

一ヶ月会ってないだけなのに、みんな随分変わった気がする。

「う・・・」
「亜矢!?」
「ごめん・・・」
「大丈夫?」
「うん・・・」

アタシは時々、気持ち悪くなることがある。
もしかしたら・・・って思ってるけど、受診する勇気がない。
智也に相談する勇気も・・・

でも、アタシ一人の問題じゃないし、智也に相談してみよう・・・


「久しぶりじゃん、亜矢」
「う・・・うん・・・」
「なんだよ、話って」
「・・・」
「亜矢?どーした」

言わなきゃ!

「アタシね、最近吐き気がするの・・・」
「え・・・大丈夫か?」
「うん・・・」
「・・・もしかして・・・」
「・・・なのかなって思って・・・」

智也は、どんな反応をするんだろう・・・

「病院行こう・・・俺がついて行くから」
「あ・・・ありがと・・・」

アタシは智也と一緒に病院に行った。


「妊娠してますね・・・」
「え・・・」
「今、三ヶ月です」
「三ヶ月・・・」
「産みますか?」
「ちょっと・・・考えさせてください」

ロビーで待つ智也に、どんな表情をすればいいんだろう・・・

ずっと考えてた・・・

「亜矢!大丈夫か?」
「う・・・うん・・・」
「どうだった?」
「赤ちゃん・・・いたよ・・・」
「え・・・」
「智也の赤ちゃん、いたよ」

しばらく沈黙が続いた。

「おめでとう、亜矢!」
「え?産んでもいいの?」
「あったりめーだ!二人で頑張ろーな」
「うん・・・う・・・ん・・・」

アタシは嬉しかった。
二人で頑張ろうって言ってくれて・・・
本当に、嬉しかった。

アタシのお腹の中に宿った、小さな命。
この小さな命は、神様からの大きなプレゼントだと思った。