はじめてだった。
男子ではなく、男性を知ったのは。
二十歳になる男の人と知り合うのは、正直ドキドキした。

同級生が出るライブを見に行ったとき、雅さんに出会った。
中学生の私達が珍しいのか話かけてくれ、ご飯をご馳走してもらった。

夏休みの出来事だった。その日から友達と塾帰りに雅さんに電話をしては、ドライブに連れて行ってもらった。

出会って10日後だった。
携帯電話なんて持ってはいなくて、自宅に電話した。
雅さんのお母さんがでた。
「いません」
あれ??おかしいな。いるはずなのに。。
友達と替わり、私がかけた。
「雅の友達ですか?」
「雅ね、死んじゃったの・・・」
耳を疑った。
泣きながらお母さんが話す。
「明日、お葬式に来てください」
電話を切った。

信じられず、でも噓をつくはずもなく、友達4人で泣きじゃくった。
ダンプカーと正面衝突だった。
お葬式は大勢の人だった。
セーラー服を着ている私達4人は、異様だった。
雅さんが死んじゃった。
最後の顔は、事故の傷でひどかった。
涙が止まらない。
雅さんの友達が出会った時、10日前のライブビデオをくれた。

あれから15年。
雅さんより大分歳もとった。
当時の友達とは連絡をとっていない。
卒業後、誰一人、雅さんの話はしなかった。
忘れたの??

初めての憧れと死は、まだ私の中に残っている。