今度はあごをつかまれ思いっきり仰け反らされ、襟から手が入ってくる。

(嫌だ嫌だ嫌だ!)

両足は車に乗ってる事と、上から押さえつけられている事で自由にならない。

真左人の手が下着越しに晶の胸を掴んだ。さらに下着の中に手を入れようとしてくる。

あまりの恐怖と驚きでショック状態だった晶は胸をつかまれた痛みで我に返った。

「助けてえ!誰か助けてえ!」

しかし当りに人影は無い。真左人は無言で晶のシャツを脱がしにかかった。

(そんな……真左人が)

こんな所で初めて会った男に犯される訳にはいかない。

晶は目の前にあった耳たぶに思いっきり歯を立てた。

血の味が口の中に広がる。軟骨の砕けるような嫌な音と共に真左人の絶叫が車内に響いた。

その隙に車外に出ようともがくが、あせってドアロックが上手くはずれない。