「僕も初めて知ったよ。僕は専門学校に通ってるからタクヤだけ働いてるんだね」

(どうしよう……)

車の窓から顔を出したままの真左人を見ながら晶は考えた。

最初から二人きりでという話ならたとえ相手が真左人でも断っただろう。

見ず知らずの男といきなり二人きりになる勇気は無い。

しかし真左人はもう来てしまっている。今から断るのも悪い気がして晶は困惑した。

「今日はやめようか?マリコもいきなり初対面の僕と二人きりは嫌なんじゃない?」

嫌なんじゃないと聞かれて、はい嫌ですとは言いにくい。

それに何となく真左人は信用出来そうである。

「じゃあ……ご飯だけ一緒に食べようか?あんまり沢山遊んだらタクヤすねちゃうし、又これからも会えるしね」