耳にかかる程度の髪は茶色に染めているがあまり似合ってない。
歯は綺麗で歯並びも良い。少し頬がこけていてどちらかといえば彫りの深い方かもしれないだろう。

今までは顔が見えずに話していたわけだから、知らないうちに相手を美化していて、タクヤは色の黒い精悍なスポーツマンタイプ、真左人は色白で長髪、優しい目をしていて背が高い……等と勝手に想像していた晶は実物を見て少しだけがっかりした。

こうやってみるとやはり隼人は格好良い。

(まあこんなもんだわ。私だって人の事言えないし)

「うん……あなたはどっちかな?」

「僕は真左人です」

そう言ってから男は恥ずかしそうに笑った。

「自分で自分のハンドルネーム言うと恥ずかしいもんだね」

笑顔は悪くない。つられて晶も笑った。