ここまで来て晶は少し後悔していた。

（やっぱり隼人に悪いかなぁ……）

駅前のロータリーに入る車が目の前を通る度に少しビクビクしながら何度も時計を見る。

あの晩、恋人の関口隼人が友人の小山早希とホテルから出てくる現場を目撃した晶は衝動的にメル友であるタクヤと真左人に連絡をとり３人で会う約束をしてしまったのだ。

活発で少し強引、口の悪いタクヤに、おとなしく優柔不断で優しい真左人と携帯サイトを通じて知り合ってから１ヶ月半になる。

何時もはタクヤの方から会おうと迫られていたのだが、真左人が仲裁役になって約束はすれど中々実現していなかった。

正直見ず知らずの男と会うのに晶自身も抵抗があったし、何と言っても隼人に悪いという気持ちが働いていたのだ。

それが早希とのあのような場面を見てしまったこともあり、半ば隼人へのあてつけで会う約束をしてしまった。