「だから警察には言えないんだよ」

そこだけ強い口調で言いながら雄大は拓海の目をじっと見た。

雄大の強い視線に押されて思わず顔をそむける。

「お前には迷惑かけないよ。今夜話した事も、これからさき何があっても言わない。これは俺の問題だ。ただ誰かに聞いてほしかったんだよ。それで誰かにお前が殺したんじゃないって言って欲しかったんだ」

「……そんな事分かってるよ。お前がそんな事する奴じゃないって事ぐらい俺がよく分かってる。安心しろ」

今度は雄大の目を見つめ返して拓海は言った。

「それと晶ちゃんから何度か電話がかかってたんだ。でも何か気まずくてさ……出てないんだ。お前からそれとなく上手い事言ってくれよ」

「そうだな。あいつも気になってるらしくて俺に何回かお前の様子聞いてたよ。普段と変わりないって言っておいた」

「すまん」