「へへへっ、まあそう怒るなよ」

思いつめたような声の雄大から、この店に呼び出され事件の事を相談されたのは、今から2時間ほど前である。

もちろん拓海にとっても、こういう店に入るのは初めてであった。

それなりに刺激的だったが、まだ幼さの残る少女達に自分の受け持つ女生徒がかぶさって妙に心配してしまう。

彼女達の境遇はどうなんだろうか?経済的に困ってやむなく働いているのだろうか?……

エミに体をすりよせられドキドキしながらも内心はそんな事ばかり考えていた。

「でもさっきは回りの目があったから、あまり深くは話せなかったけど、俺は警察に行った方がいいと思うけどなぁ。いくら酔ってたとはいえ凶器で顔面を破壊して殺すまで殴ったら覚えてるだろ?現場から凶器も発見されてないし、お前のマンションにも凶器は無いんだろ?」

「あたりまえだ。俺が犯人じゃないんだから。俺は被害者だ」

「胸はって言う事かよ、教師がキャバクラで泥酔して殺人事件の被害者と直前までケンカしてたなんて」