早希は隼人が時折壁にかけられた時計を見たりして困っているのが分かった。分かってはいたし悪い事だとは思ったが、もう少しだけ隼人と一緒にいたかった。
真澄の怒った顔が目に浮かぶ。もしばれたら今度こそ絶交されるかもしれない。
早希が晶の恋人である関口隼人と再び出会ったのは本当に偶然である。
最近なんだか元気のない晶を誘って真澄と三人で食事した帰り道にばったり隼人と再会した早希はアルコールが入った勢いもあって強引に隼人を誘っていた。
本当はそんなに酔っていないのだが殊更ふらついてみせたりして、隼人に腕をからめホテルのバーに入ったのだ。
これは本当の私じゃない。さっき飲んだカクテルが喋ってるんだわ……。そう早希は思い込む事にした。
どちらかといえば言い寄ってくる男は多いが、なかなか心を許せる人はいない。そんな中、自分では気づいていないが早希は隼人に一目惚れしてしまったようである。
裕福な家庭で育ち、他人からはその容姿と共に羨ましがられる事が多かったが、今となっては晶が羨ましくて仕方ない。
別に隼人を晶から奪おうとまでは思わない。当の隼人だって晶に惚れているのは分かるし、晶も女の早希からみて可愛くて愛嬌があって傷つけたくはない。
ただ今の時間、少しだけ夢を見たかっただけである。
真澄の怒った顔が目に浮かぶ。もしばれたら今度こそ絶交されるかもしれない。
早希が晶の恋人である関口隼人と再び出会ったのは本当に偶然である。
最近なんだか元気のない晶を誘って真澄と三人で食事した帰り道にばったり隼人と再会した早希はアルコールが入った勢いもあって強引に隼人を誘っていた。
本当はそんなに酔っていないのだが殊更ふらついてみせたりして、隼人に腕をからめホテルのバーに入ったのだ。
これは本当の私じゃない。さっき飲んだカクテルが喋ってるんだわ……。そう早希は思い込む事にした。
どちらかといえば言い寄ってくる男は多いが、なかなか心を許せる人はいない。そんな中、自分では気づいていないが早希は隼人に一目惚れしてしまったようである。
裕福な家庭で育ち、他人からはその容姿と共に羨ましがられる事が多かったが、今となっては晶が羨ましくて仕方ない。
別に隼人を晶から奪おうとまでは思わない。当の隼人だって晶に惚れているのは分かるし、晶も女の早希からみて可愛くて愛嬌があって傷つけたくはない。
ただ今の時間、少しだけ夢を見たかっただけである。