こんどは映一のうめき声が漏れ手にしていた棒が地面に転がり落ちる。金属製の嫌な音を聞いてそれが鉄パイプだったことに雄大は初めて気がついた。
慌てて鉄パイプを拾い上げようとする映一の顔面を雄大は渾身のちからで蹴り上げた。鼻骨の砕ける嫌な音がして仰け反った映一は電柱に後頭部を打ち付け崩れ落ちた。
それでも映一は鼻血を垂らしながら向かってきたのである。
(最近の若い奴にしては根性あるなあ)
妙に感心しながらも雄大は走ってその場を逃げ去った。
酔いのせいで足がもつれたが、いまの泥酔状態の自分では映一に勝てないという恐怖と、逆に手加減する事が出来ず映一を殺してしまうかもしれないという恐怖で、もう片時もその場に居たくなかった。
今になって思えば、すべてアルコールによる夢幻だったのではないか?と自問してみたりもする。
実際断片的にしか記憶が無くどうやってマンションまで帰ってきたのかも覚えていない。
慌てて鉄パイプを拾い上げようとする映一の顔面を雄大は渾身のちからで蹴り上げた。鼻骨の砕ける嫌な音がして仰け反った映一は電柱に後頭部を打ち付け崩れ落ちた。
それでも映一は鼻血を垂らしながら向かってきたのである。
(最近の若い奴にしては根性あるなあ)
妙に感心しながらも雄大は走ってその場を逃げ去った。
酔いのせいで足がもつれたが、いまの泥酔状態の自分では映一に勝てないという恐怖と、逆に手加減する事が出来ず映一を殺してしまうかもしれないという恐怖で、もう片時もその場に居たくなかった。
今になって思えば、すべてアルコールによる夢幻だったのではないか?と自問してみたりもする。
実際断片的にしか記憶が無くどうやってマンションまで帰ってきたのかも覚えていない。