(どうして、もっと可愛い名前にしてくれなかったのかしら)

口をとがらせながら晶は、二人に会う事を空想した。

晶が携帯のサイトで複数の見知らぬ人間と会話を楽しむ様になったのは半年程前からである。

別に友人たちみんなもしているし、軽い気持ちであった。

何よりも互いが素姓をまったく知らない間柄なので、変な利害関係が無く、親にも相談出来ない事を相談したり、色々な世界をかいま見る事が出来て刺激的だった。

友人が居ない訳ではない。
どちらかといえば大勢で群れるより、少人数で遊ぶ方が好きだが親友と呼べる友人も何人かいるし、高校時代から付き合っている恋人もいた。

その関口隼人(せきぐち はやと)は2才年上の21才。

晶が高校一年の時からの付き合いでもう3年近くたつ。

隼人は晶がマネージャーをしていたサッカー部のキャプテンで、その頃からの付き合いになる。