「どうした晶?」

また妹にばっかり声をかけて、と晶を思わず睨んだ利那は義妹のただならぬ様子に眉をひそめた。

「晶ちゃんどうしたの?」

さっきまで元気だった晶が顔面蒼白になって額から汗を流している。

目は大きく見開かれて宙の一点を凝視していた。肩も微かに震えている。

「な、何でもないの……ちょっと気分悪くなったから部屋行くね」

そう言うなり晶は椅子を弾き飛ばすように立ち上がり階段を駆け上がっていった。

「何なんだ晶は。今のニュースがよっぽど怖かったのか?」

「まさか、あの子はあんたと違って度胸が据わってるのよ。いったいどうしたのかしら」

貴子も箸を止めて心配そうである。