「ある訳無いじゃん!」

「なんで急に東京弁になるのよ、益々怪しい……お願い命だけは助けて」

「もう晶ちゃんは……東京弁といえば、さっきの男も東京言葉だったね」

「えっ?だって大阪から来たって言ってたよ、駅を教えてくれって」

それを聞いた雄大は吹き出した。

「馬鹿だなあ晶ちゃんは、大阪から来たって言うのに、東京弁、しかもJRの駅知らないなんて、あいつら大阪から歩いて来たの?」

「だって……」

「まあ次から気を付けようね、じゃ帰ろうか」

「うん」

妙にしおらしくなった晶は雄大の後ろからとぼとぼと歩いた。