「なんだよ、俺達道を聞いてただけだよ。邪魔すんなよ」

「君達言葉づかいが悪いですねえ、ちょうど良かった僕国語教師なんですよ。いまから僕が家庭教師してあげましょ」

そう言って雄大は背の低い方の男の襟首を持つと、簡単に持ちあげた。右腕の力こぶがふくれ上がりシャツがはち切れそうになる。

「ごめんごめん力入れすぎちゃったよ」

次の瞬間男は雄大に手を離されアスファルトに尻もちをついた。

「野郎!」

背の高い男がそれを見て顔を真っ赤に充血させる。晶は思わず雄大の後ろに隠れて背中のシャツを握り締めた。

兄の拓海から確か雄大は高校大学とアマレスをしていたと聞いた事がある。
いつもはただ小太りな若者と思っていたのだが、こうやって背中に触れてみると驚くほどに筋肉質で逞しい肉体だった。

「また悪い言葉を使う、駄目ですよ」