携帯のメール着信音に晶は慌ててポケットを抑えた。抑えた所で音が収まる訳はないのだが、皆が一斉に晶を振り返り赤面する。
「北条さん、授業中は携帯切って下さいね」
「はい、ごめんなさい」
国文学の岡田教授から注意された晶は小さな体をさらに小さくして恐縮した。
(もう誰よぉ)
マナーにしていなかった自分を棚に上げてメールの送信者に口をとがらす。
(あ、タクヤからだ)
『いま何してるの?』
(授業中だっちゅうの)
『お勉強中です。音消して無かったから先生に睨まれちゃったじゃない』
怒りマークも忘れずに付けて送信する。
『昨日の話だけどさあ、やっぱ3人じゃなく2人で会おうよ。駄目?』
(二人きりは駄目だって)
「北条さん、授業中は携帯切って下さいね」
「はい、ごめんなさい」
国文学の岡田教授から注意された晶は小さな体をさらに小さくして恐縮した。
(もう誰よぉ)
マナーにしていなかった自分を棚に上げてメールの送信者に口をとがらす。
(あ、タクヤからだ)
『いま何してるの?』
(授業中だっちゅうの)
『お勉強中です。音消して無かったから先生に睨まれちゃったじゃない』
怒りマークも忘れずに付けて送信する。
『昨日の話だけどさあ、やっぱ3人じゃなく2人で会おうよ。駄目?』
(二人きりは駄目だって)