数秒の沈黙の後、言葉をしぼり出した。かすれて最後の方は聞き取りにくい。

「じゃあ僕とデートして下さい」

「先生と?私が?」

「嫌ですか?」

今日の拓海は何時もと違って強引である。
パジャマ姿の自分が恥ずかしくて利那は胸元をことさら強く手で押さえた。

「嫌じゃ……ないけど」

「よかった、断られるかと思った」

子供の様にホッとした笑顔を見せる拓海につられて利那も思わず頬をゆるめる。

「先生も物好きねえ、で、何時デートする?」

「今日」

「今日?そんな急に……」

「それから明日と明後日と、その次も、その次も」

「な、何言ってるの先生」