「どうしたの関口君?」

「い、いえ……何でもないです」

「なんか顔が赤いわよ、熱でもあるんじゃない?」

貴子の顔をまともに見られない。湧き上がる激しい感情が嫉妬と憎悪だと言う事に隼人は気がつかなかった。

何故こんな気持ちになるのか……?

それすら分からない隼人は自分の心に戸惑いながら、貴子に作り笑顔を返し、次に真澄を見た。


真澄の視線は貴子に向けられていた。


その瞳が激しい嫉妬と憎悪に燃えていた。




おしまい