「そ、そんな事ないよ。おばさん今でも綺麗だし」

今日は晶の成人式である。
大好きだった兄の死から9ヶ月が経っていた。

火災の原因は今でも不明である。放火か、それとも……。

義姉の利那は貴子の薦めもあって、晶達と同居中だ。
拓海が死んでから義姉は変わったと晶は思った。

角が取れ丸くなったし、明るくもなった。

今まで気がつかなかったが義姉は笑うと驚くほど若々しく可愛らしかった。

本当のお姉さん……晶はそう思っている。
貴子にとっても実の娘と変わりなかった。

成人式を迎えるにあたって晶はレンタルでいいと言ったのだが、貴子は今日の為に振袖を新調した。

淡いブルーが基調の華やかな着物だ。誰から見ても良く似合っていたし、同級生達と並んでも目を引く。