刑事は貴子に何をしていたかではなく、いきなりアリバイの証明を求めてきた。

「そんな……3時なんて言われても寝ていたとしか言いようがありません」

「でしょうね……」

それっきり二人は黙り込んだ。

「ご主人は飲酒とギャンブルが激しかったようですね?」

沈黙の後、刑事は手帳をみながら顔をあげずに言った。

「そんな事あなたに関係ありません」

「酔っては暴力を振るう事も度々であった」

「だから何なんです?」

貴子の言葉には答えず刑事は続けた。

「生命保険もかかっている。言い方は悪いが、これで奥さんと子供さん達は新しいスタートを切れるわけですね」

「いい加減にしてください!」