隼人の事を信じたいという理性は本能の前に吹き飛んでしまったようだ。
晶は壁際に行き静かに窓を開けた。夜ではあるが春先の心地よい風が室内に吹き込む。
その時廊下のから明らかに看護士の物とは違う異質の足音が聞えてきた。思わず体が硬直して動けない。それはゆっくりと確実に晶の病室に向って大きくなった。
(お願い来ないで……)
やがて足音はドアの前で止まる。静かにドアがノックされた。
それを合図にしたように晶は窓を飛び越えた。
ここは2階だから、屋根伝いに歩けば降りられるだろう。
しかし予想以上に一階の屋根までは距離があり背の低い晶は窓からぶら下がる格好になってしまった。
ドアの開く音がする。
「晶、起きてるか?」
晶は壁際に行き静かに窓を開けた。夜ではあるが春先の心地よい風が室内に吹き込む。
その時廊下のから明らかに看護士の物とは違う異質の足音が聞えてきた。思わず体が硬直して動けない。それはゆっくりと確実に晶の病室に向って大きくなった。
(お願い来ないで……)
やがて足音はドアの前で止まる。静かにドアがノックされた。
それを合図にしたように晶は窓を飛び越えた。
ここは2階だから、屋根伝いに歩けば降りられるだろう。
しかし予想以上に一階の屋根までは距離があり背の低い晶は窓からぶら下がる格好になってしまった。
ドアの開く音がする。
「晶、起きてるか?」