言われて初めて晶は病室に真澄がいたことに気づいた。

「いま何時?」
「夕方の6時よ」

「6時?」

訳がわからず混乱する。

「まるまる一日眠っていたのよ。よかったわ目が覚めて」

貴子が少し涙ぐみながら説明した。
自分としては数時間しか経っていないと思ったのだが、どうやら次の日になっているらしい。
通夜どころか告別式も終わっている。

「よろしいですか?」

さっきから気になっていた見知らぬ男が横たわる晶の傍に来た。

「少し待ってくれよ、晶は今意識が戻ったばかりだぞ」

「お兄ちゃん、この人誰?」

「S警察の鬼頭です」