思わず悲鳴が出そうになるのをかろうじてこらえる。
晶は必死で隼人から顔をそらした。
目線を合わさぬように一点を見つめる。

「大丈夫か晶?」

「大丈夫かじゃないだろ!」

病室に拓海の怒鳴り声が響いた。

「おまえがついていながら何だ!女一人守れないのか貴様は!」

「……すいません」

「晶にもしもの事があったら、どう責任とるつもりだったんだ?ええっ!?」

「拓海、やめなさい」

貴子にたしなめられ怒鳴るのを止めたが、どうにも怒りが収まらない様子である。

「わたしどうなったの?」

「どうもしないわよ、少し頭打って気を失っただけだから大丈夫よ」