話があると言って呼び出したのだが、あまり良い話ではないと察知したらしく、その話題には触れなかった。

並んで歩き今きた道を大通りに向かって戻る。

隼人が歩道の小石を軽く蹴飛ばした。

晶の後方から自転車のような速度で走ってきた宅配ピザのバイクがその小石を歩道に跳ね返す。

「小山さん大丈夫だったか？」

「真澄？あんまり大丈夫じゃないと思うけど……でも少しは元気出たかな」

「まあ自分を責めたくなる気持ちも分かるけど、小山さんのせいじゃないからな。悪いのは犯人だ」

「そうよ。真澄のせいじゃないわ」

前からやってくる対向車がハイビームにしている為、眩しくて晶は顔をそむけた。

「でもついこの間にも、よそから来た若い男が殺されただろ？ここもぶっそうな街になってきたのかな」