拓海も隼人から視線を外さない。
晶が隼人を初めて自宅に招いた時から、この二人はあまり合わないようだ。

拓海はどちらかといえば古いタイプの人間でプロセスや礼儀を重んじるのに対して、隼人は今時の若者らしく礼儀を知らない。
よく言えば社交的で誰とでも友達になれる人間なのだが……。

尚も視線を切らない拓海の背中を押すようにして廊下に出る。
その後から隼人、４人が続いて階段を降りた。

「いいの晶？関口さんほっといても」

「いいのいいの気にしない、少しは懲らしめてやらないと」

後ろに聞えないように言って笑みを返す晶を見て、早希との件を知っているのは自分だけだと思っている真澄は意味が分からず複雑そうな表情を浮かべた。

「隼人にああいっちゃったからホントにお茶でも飲んでいこうか？」