「大丈夫かって、俺が?この中では一番大丈夫な人種だと思うけど」

雄大の軽口に真澄も少しだけ泣き笑いの表情を浮かべる。無骨な雄大なりに気を使っているのだろう。

「穂積さん、あんまり会った事ない早希の為に今日はありがとう。明日の出棺もよかったら是非見送ってあげてね」

「うん必ず来るよ。晶ちゃんは妹みたいなもんだからさ……妹の親友を一緒に見送るよ」

妹という部分に自虐的な響きがあるのを拓海だけが感じ取った。

「私も帰る……」

泣きはらした目でそう言った真澄が立ったとたんグラリと体勢を崩した。

「駄目だよ送って行くよ、一人に出来ない」

隼人が来た時から存在する違和感を伴った重い空気から逃げたい気持ちもあって晶は真澄の腕をとった。