悔恨の念が消えることが無い。

早希の両親は警察から事情を聞いても真澄を責めたりはしなかった。
そればかりか娘を失って絶望の淵に立たされているにもかかわらず真澄を慰めてくれた。

それが余計に辛かった。

殺害方法や暴行された形跡がない事、財布も残っていた事から警察では早希に恨みを抱くものの凶行と断定したようだ。

あの寂しがり屋でいつも誰かの機嫌をとり、他人に冷たくあたるなど絶対になかった早希が無残に殺されるほど恨みを買うなんて晶には信じられなかった。

「ごめんね……ごめんね……」

泣きながら真澄は謝ってばかりである。

棺の中に横たわる早希は死化粧を施されて息を呑むほど美しかった。
しかし首にまかれた見慣れぬスカーフが事件を物語っている。

左手は服の中に隠されて見えないようになっていた。