早希の美貌を目当ての人間もいる。早希が買い与えるモノが目的の人間、父や母に取り入ろうとする人間……誰も早希の仮面に隠された本当の自分を必要とはしていないと何時も感じていた。
そういう思いが強くなればなるほど、誰かに愛されていたい、誰かに必要とされたい一心で早希は笑顔を振りまきモノを与え、一人も自分のそばから欠ける事のないよう気を配らなければならなかった。
そんな早希だが、今までに一度だけ人を好きになった事がある。
早希が高校2年の時に知り合った家庭教師の山本礼一だ。
早希は17才、礼一は24歳の大学院生だった。
礼一は何時も早希の目を見て話した。
決してハンサムではなかったが、頭の回転が速く知識が豊富で、勉強の合間にしてくれる色々な話は早希の知的好奇心をくすぐった。
そういう思いが強くなればなるほど、誰かに愛されていたい、誰かに必要とされたい一心で早希は笑顔を振りまきモノを与え、一人も自分のそばから欠ける事のないよう気を配らなければならなかった。
そんな早希だが、今までに一度だけ人を好きになった事がある。
早希が高校2年の時に知り合った家庭教師の山本礼一だ。
早希は17才、礼一は24歳の大学院生だった。
礼一は何時も早希の目を見て話した。
決してハンサムではなかったが、頭の回転が速く知識が豊富で、勉強の合間にしてくれる色々な話は早希の知的好奇心をくすぐった。