「分からない……気持ちがふっきれたら真澄とは話せるようになるかもしれない。でも晶の顔見るのはつらいの。晶のこと大好きだけど……大好きだけど憎いのよ。晶さえいなかったら……」

早希の頬が乾いた音をたてて赤く腫れ上がった。

「晶がいなくなったら?あんた自分が何言ってるか分かってる?ものすごく醜いよ」

真澄に張られた頬を押さえた早希の目から涙がこぼれた。

「痛いじゃない……」

「当たり前よ痛くしたんだから。私の手だって痛いわ。それにこの事を知ったら晶の心はもっともっと痛いわよ」

「……」

「関口さんは絶対に早希を選ばないわよ。そんな敢えて傷つく必要ないじゃない?ね、考えなおしてよ」

最初はきつい口調だった真澄もだんだんと哀願に変わってくる。