利那が二階の書斎に上がってくるかと期待して耳をすましたが気配は無かった。

しかし起きて待ってると言った以上、寝るわけにはいかない。

寝てしまってから利那が部屋に入ってきたら大変だ。

明日の授業中に居眠りしてしまわなければ良いが、と思いつつ拓海は文庫本を取り出した。