ちゃんと説明したかったが、たとえ利那にでも雄大の事を話す訳にはいかない。

それに雄大に連れられるままキャバクラに入ったのも間違いなく自分なのだ。

しかし晶の事を引き合いに出されたのは心外だった。

妹と妻を比べてどうしようと言うのだ。自分は利那を選んで結婚したのだ。

どうすれば分かってもらえるか拓海は苦悩した。

妻を泣かせるつもりなど毛頭無かった。

しかし無意識に彼女を傷つけていたのかもしれない……いや、きっと何もかも自分が悪いんだろう。

だとすれば謝らなくてはならないが、利那は謝るなと言う。

途方にくれて拓海は頭を抱えた。

今は何を弁明しても無駄だろう。
時間が解決してくれるのを待つしかない。