「瑞希、デジカメを貸してくれ
気になる箇所を写真に撮っておく」

瑞希は無言で、ポケットからデジカメを出して俺に差し出した

俺は受け取ると、傘でカメラが濡れないように気を使った

「こんな雨じゃ、警察が到着するころには証拠が洗い流されてるんじゃないのか?」

俺は谷と三沢の倒れている写真を数枚撮った

二人が入るように撮り、次に一人ずつ

二人の身体には刺し傷が無数にあった

二人が着ている服は、もとの色を失い黒い染みを無数に作っていた

三沢の胸にはナイフが突き刺さっていた