「え? 何があ……うわぁ」

徹さんが傘を落として腰を抜かした

尻もちをついた徹のさんのズボンは泥だらけになった

俺の目には徹さんの動きが白々しい演技に見えた

拳銃に慣れている人が、人の死に慣れていないなんて思えない

お前が殺したんじゃねえの?
…と聞きたくなる

「徹さん、お願いできますか?
別荘に戻って警察に連絡を」

「わ…わかりました
藤城さんたちは?」

「この雨ではすぐに警察が来てくれるとは思えません
警察の役に立てるよう…瑞希の持っているカメラであたりを撮っておきます」

「ええ? そんなことをして……」

「撮った写真は全て、警察に提供します
心配ならカメラごと、貴方の前で警察に差し出しますが?」

「そ…そうですか
じゃ、先に戻っています」

徹さんが走って別荘に戻っていった