人の声が、パーティルームのドアの向こう側から聞こえてきた

船員だろうか
それとも従業員?

俺は本を閉じると、実花さんがいるテーブルに視線を送った

「どうしたのかしら?」

ちょうど実花さんが立ち上がっている最中だった

実花さんが歩きだすと、その後ろから真琴さんもついてくる

俺は二人が部屋から出るのを確認すると、文庫本に手を伸ばした

俺は行く必要はない
企画者である実花さんがどうにか処理するだろう

「え? ちょっと…どういうこと?」

実花さんの驚いている声が聞こえてきた

名も知らない男たち2人が立ち上がると、部屋を出て行った

気になったのだろう

「竜ボン、俺らも見にいかへん?」

「そうだな」

俺は本にしおりを挟むと、テーブルに置いて立ちあがった