「他の方はどちらに?」

「あ、あそこです」

パーティルームと表示されている室内に入ると、グラスを片手に頬を赤く染めている男と、首からカメラをさげている男が椅子に座っていた

実花さんに真琴さん
そして名の知らない男2人に

瑞希と俺で6人

「全部で6人ね…あと1人は?」

俺は実花さんの顔を見た
実花さんが、真琴さんのほうを見る

「連絡がつかないみたいで
あの男2人組の友達なんだけど……気分屋な男らしくて、来ないなら置いていっていいって」

真琴さんが困った顔をして肩をすくめた

「あれ…確か名前が金田実花さんってことは
3年前にできたばかりの人工島『実花島』に行くんですか?」

俺は首を傾げると、実花さんの顔を見た

瑞希から行き先を俺は聞いていない

どっかの島に行くってことしか、俺は知らない

実花さんは『え?』と驚いた声をあげると、瑞希のほうに顔を向けた

「俺が旅行に行くって話したら、竜ボンのヤツ
一人で浮かれよって、詳しい話を聞き忘れたんや」

瑞希が苦笑しながら、実花さんに言い訳をした