『谷が別れてくれなかったから……
私、別れたいって何度も頼んだのに

だから、三沢くんを使ったの
彼、私を好きだって言ってたから
谷が持っている覚せい剤の売上金をもらって逃げようって約束をしたら…谷を殺してくれた

幸せになりたかったのよ
普通の人と結婚をしたかった
闇の世界に足を突っ込んでるような人間ともう……かかわり合いたくなかったの!』

小林真琴が取調室のテーブルに、顔を伏せた

俺はその様子をマジックミラー越しに隣室から見ていた

「三沢に谷を殺させて、自分が三沢を殺した…か
とんでもねえ、女だな」

晁斗が煙草の煙を吐き出しながら、呟いた